【異形団 宗教】

白い暖かい光で目が覚めた。私の好きなお日様の香りがする。...起きないと。鏡を見るとぼんやりした自分がいた。髪をとき、長い髪を帽子に通す。黒い修道服を手に持つと昔を思い出す。教皇様がくれたこの服。もう何年か経つけど今でも大事な宝物。この服を着ると少し楽になる気がする。・・・さて、子供たちを起こしに行こう!

廊下を歩いているとあの香りがした。教皇様が帰ってきたんだ。冷たい雨の臭い。あの人は消えたかと思えば、そこにいる。長年一緒にいるけどが謎が多い人。子供達が寝ている部室の近くにある花瓶に目が止まった。花が変わっている。葉っぱを少し触ってみた。

「確かこの葉っぱは...」


カタバミだ!」

「...ええ、そうよ。よく分かったわね」

いつの間にか子供が数人出てきていた。花に夢中になりすぎたかな。

「おはようみんな。よい朝ね」

「「おはよう、せいぼさま!」」

今日も元気に返事をしてくれる。そんなこの子たちは孤児。親の顔を知らずに生きている。・・・別に顔を知らなくたって生きられないわけではない。

「さぁ、みんな礼拝堂に向かいましょうね」

「「はーい」」



お祈りの時間を済まして、次は朝御飯。厨房に少し早歩きで向かうとまた『あの臭い』がした。それと同時にほんのり甘い香り。ちょっとだけ覗いてみようかな。邪魔をしたら悪いから。少しだけ...そーっと。